

Googleマップに歯科医院の悪い口コミを書かれました。削除できますか?
結論
事実と違う内容で医院の評価を下げる口コミや、スタッフの名前を挙げて中傷する口コミなどは、削除を求められる可能性があります。一方で、「説明が分かりにくかった」「待ち時間が長かった」といった感想や評価にとどまるものは、内容が厳しくても削除は難しいのが一般的です。 まずは口コミの内容を保存し、削除を求められる内容かどうかを見極めてください。
根拠
- 削除を求められる場合:事実を示して医院の社会的な評価を下げる口コミは、名誉毀損にあたることがあります。ただし、公共の利害に関わる事実で、公益を図る目的があり、内容が真実である場合などは、違法とはされません。
- プラットフォームの対応:2025年4月1日に施行された情報流通プラットフォーム対処法により、Googleなどの大規模なプラットフォーム事業者は、削除の申出の窓口を設け、原則として7日以内に対応の結果を通知することが義務づけられています。
- 裁判所の手続:プラットフォームが削除しない場合は、裁判所に削除の仮処分を申し立てる方法があります。投稿者に損害賠償を求めるには、発信者情報開示の手続で投稿者を特定する必要があります。
医院での対応
- 保存する:口コミの画面を、URL・投稿日時が分かる形で保存します。削除されると証拠がなくなるためです。
- 内容を見極める:事実と違う点はどこか、感想や評価にとどまるかを整理します。
- 削除を申し出る:Googleの報告の機能から、ポリシー違反や法的な理由を示して削除を求めます。一度で削除されなくても、再審査を求めることができます。その際は、来院の記録がないことなど、事実と違うことを示す資料を添えて説明します。星の評価だけでコメントのないものは、削除が難しいのが一般的です。
- それでも削除されない場合:仮処分や投稿者の特定を検討します。時間と費用がかかるため、口コミの影響の大きさとあわせて判断します。
削除代行業者に注意
- 弁護士でない業者への依頼は避ける:弁護士でない業者が、報酬を得て削除の交渉や手続を引き受けることは、弁護士法に反するおそれがあります。「弁護士と提携している」とうたう業者も同様です。
返信するときの注意点
- 診療の内容を書かない:「この方は〇〇の治療で来院され…」と書くと、患者さんの情報を明かすことになり、個人情報保護法に反するおそれがあります。
- 返信は、これから来院を考えている方に向けて書く:投稿者と議論するためではなく、口コミを読んで受診を迷っている方に向けたものです。感情的に反論しないでください。
- 謝るのは、不快な思いをさせたことに対して:事実と違う点まで謝ると、内容を認めたと受け取られます。事実と違う点は、来院の有無や治療の内容には触れず、医院の方針や体制として、落ち着いて簡潔に説明し、「差し支えなければ医院までご連絡ください」と書いて、個別のやりとりに移します。
- 良い口コミにもお礼を返す:悪い口コミへの対応だけでなく、日頃の返信の積み重ねが、医院への信頼につながります。
- 口コミを依頼するとき:謝礼と引き換えに良い口コミを書いてもらうと、医療広告ガイドライン違反やステルスマーケティングにあたるおそれがあります(ホームページやSNSで書いてはいけないことを参照)。
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執筆:小畑 真(弁護士・歯科医師、弁護士法人 小畑法律事務所 代表)
※ このページは一般的な考え方の説明です。実際の対応は、個別の事情によって異なります。








